揺れた瞬間|最初の10秒が生死を分ける
地震の揺れを感じた瞬間、
最も大切なのは動かないことです。

多くの人は「逃げなきゃ」と反射的に立ち上がってしまいます。しかしこれは、非常に危険な行動です。地震の初期段階では、棚・照明・テレビなどが一気に倒れ落ちます。動いた瞬間に、頭や背中を直撃する可能性があるのです。
まずは深呼吸し、姿勢を低く保ちましょう。


世界共通の安全行動「ドロップ・カバー・ホールドオン」
地震時の基本行動として、世界共通で推奨されているのがドロップ・カバー・ホールドオンです。
- ドロップ:その場でしゃがむ
- カバー:机やテーブルの下に入り、頭を守る
- ホールドオン:机の脚などをつかんで耐える
**机がある場合**

**机がない場合**
家具が倒れてこない壁際へ移動し、カバンや腕で頭をしっかり守ってください。ポイントは、とにかく頭部を守ることです。

**火を使っている最中**
揺れている間は火元に近づかないでください。揺れの最中に動く方が、かえって危険です。火の始末は、揺れが完全に収まってからでも間に合います。


**マンションなど高層階**
揺れが長く続きます。窓から離れ、割れたガラスを避け、頭の保護を最優先にしてください。

揺れが止まったら|最優先は出口の確保
揺れが完全に止まったら、次に行うべきは出口の確保です。
ドアや窓を開け、逃げ道を作りましょう。大きな地震の後は、建物の歪みでドアが開かなくなることがあります。閉じ込められる前に、必ず脱出口を確保してください。

次に確認するのが火の元です。コンロやストーブの火が残っていないかをチェックします。
- 小さな炎 → 落ち着いて初期消火
- 天井に届くほどの炎 → 迷わず避難
「逃げる判断」も、立派な命を守る行動です。
その後は、家族や周囲の人と声を掛け合い、安否確認を行いましょう。

二次災害を防ぐ|靴・電気・ガスを確認
地震の被害は、揺れが止まったあとにも起こります。次に行うのは二次災害の防止です。
靴を履く
家の中には、割れたガラスや食器が散乱しています。スリッパではなく、できれば底の厚い靴を履いてください。

ブレーカーを落とす
地震後、電気が復旧した際に起こる「通電火災」は非常に危険です。壊れた家電やガス漏れが原因で火災が発生するケースがあります。
避難前には、必ずブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉めるようにしましょう。

建物の状態を確認
壁や天井に大きなひび割れ、傾きがある場合は、すぐに屋外へ避難してください。
正しい情報を得る
テレビやスマホが使えない状況に備えて、携帯ラジオや防災ラジオがあると安心です。SNSには誤情報も多いため、自治体やNHKなど公式情報を必ず確認しましょう。

避難と共助|自分と周りの命を守る
避難が必要だと判断したら、非常持ち出し袋を持って行動します。
最低限そろえておきたいものは以下です。
- 水・食料(3日分)
- 懐中電灯
- モバイルバッテリー
- 家族や知人の連絡先

まだ準備ができていない方は、この記事を読み終えたあとに、ぜひリストアップしてみてください。
また、避難時に忘れてはいけないのが声かけです。マンションや住宅地では、高齢者や体の不自由な方が取り残されることがあります。
「大丈夫ですか?」
その一言が、命を救うことがあります。
原則として、自動車での避難は避け、徒歩で避難所を目指しましょう。道路渋滞は、救急車や消防車の妨げになります。
津波警報が出た場合は、1秒でも早く高い場所へ。迷わず行動してください。
まとめ|命を守るために覚えておきたい3つのこと
最後に、地震直後に大切なポイントをまとめます。
- 揺れた瞬間は動かず、頭を守る
- 揺れが止まったら出口を確保し、火を確認する
- 避難前にブレーカーとガスを必ず止める
地震は、いつ起きるか分かりません。だからこそ、今知っておくことが何よりの備えになります。
ぜひこの内容を、家族や身近な人と共有してください。その行動が、大切な命を守る力になります

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場所別|その瞬間、どこにいたかで動きが変わります
守ることは同じです。頭を守って、動かない。ただし、そのとき自分がどこにいたかで、危ないものが変わります。場面ごとに、最初の数秒でやることをまとめます。
キッチンにいたとき
火から離れて、その場でしゃがみます。揺れると、包丁・鍋・食器棚の中身が同時に飛んできます。冷蔵庫は数十センチ動くことがあるので、扉の正面には立たないでください。火を止めるのは、揺れが収まってからで間に合います。
寝ているとき
起き上がらず、枕か掛け布団で頭と首を覆います。暗い中で立ち上がると、落ちた照明のガラスや割れた食器を踏みます。ベッドの脇に室内履きを一足置いておくと、この場面で困りません。寝室そのものの見直しは寝室の防災|寝ている間に守るための5つの見直しにまとめています。
お風呂・トイレにいたとき
最初にドアを開けます。この2か所は狭いぶん物が飛んでくる量は少ないのですが、建物がゆがむとドアが開かなくなります。浴室では洗面器やタオルで頭を守り、鏡とガラス戸から離れてください。裸足のままなので、外へ出るときの足元にも気をつけます。
車を運転しているとき
急ブレーキは踏みません。ハザードランプを点け、ゆっくり減速して道路の左側に停めます。揺れが収まるまでは車内にとどまり、カーラジオで情報を取ります。車を置いて避難するときは、エンジンを切り、キーは付けたまま、ドアはロックしません。救助や消火の車両が通れるように、あとから車を動かす必要があるためです。車検証と貴重品だけ持って、徒歩で避難します。
エレベーターの中
すべての階のボタンを押して、最初に止まった階で降ります。閉じ込められたときは、非常ボタンを押して応答を待ちます。扉を自分でこじ開けようとしないでください。かごが階の途中で止まっていると、落下する危険があります。地震のあとは、動いていてもエレベーターは使わず階段を使います。
スーパーや駅など、人の多い場所
商品棚・自動販売機・ガラス張りの壁から離れます。買い物かごがあれば、逆さにして頭にかぶってください。出口へ走らないことも大切です。人が一斉に同じ方向へ動くと、転倒と将棋倒しが起きます。柱の近くでしゃがみ、係員の指示を待つほうが安全です。
夜に揺れたら|明かりを手にしてから歩く
停電した部屋では、明かりを持つまで歩かない。これが夜の地震でいちばん大事なことです。
地震のあとの床には、割れたガラス、食器のかけら、倒れた家具が散らばっています。見えないまま歩いて足を切ると、避難所まで歩くことも、家を片付けることもできなくなります。揺れそのものは数十秒で終わりますが、そのあとの移動は何時間も続きます。
枕元に置くなら、両手が空く防災用ヘッドライトが使いやすいです。片手がふさがる懐中電灯だと、ドアを開ける・家族の手を引く・荷物を持つ動作が同時にできません。スマホのライトでも代用はできますが、そのあと安否確認と情報収集で電池を使うので、明かり用は別に用意しておくほうが安心です。
安否確認は「つながらない前提」で決めておく
大きな地震の直後は、電話がつながりません。回線が混み合ううえ、通話が制限されるためです。そこで、家族と会えない前提で連絡方法を1つ決めておきます。
使えるのが災害用伝言ダイヤル171です。「171」にかけて自宅の電話番号を入れると、伝言を録音・再生できます。毎月1日と15日は体験利用ができますので、一度かけてみると、当日あわてません。手順は災害用伝言ダイヤル171の使い方で説明しています。
よくある質問
揺れている間に、ドアを開けに行ったほうがいいですか
行かないでください。揺れの最中に動くことのほうが危険です。出口の確保は、揺れが収まってからで間に合います。
テーブルの下は本当に安全ですか
頑丈な机なら、落ちてくる物から頭を守れます。ただし、脚をつかんで机ごと動く前提です。ぐらつく折りたたみテーブルやガラス天板の机は、かえって危険になります。その場合は家具のない場所でしゃがみ、腕とクッションで頭を守ってください。
ブレーカーは必ず落とすのですか
家を離れるときは落とします。在宅を続ける場合は落とす必要はありません。通電火災は、人がいない家で電気が復旧したときに、壊れた家電や倒れたストーブから起きるためです。判断の基準は「家を出るかどうか」です。
余震はいつまで注意すればいいですか
気象庁は大きな地震のあと、おおむね1週間、特に最初の2〜3日は最初と同じ程度の地震に注意するよう呼びかけます。棚の上に物を戻したり、高い所の片付けを始めたりするのは、この期間を過ぎてからにしてください。
持ち出し袋を取りに家へ戻ってもいいですか
津波警報が出ているときは戻りません。荷物より、高い場所へ動くことが優先です。そもそも取りに戻らずに済むよう、防災リュックは寝室か玄関など、逃げる動線の上に置いておきます。押し入れの奥にしまうと、いざというときに出せません。
今日できること
1つだけで十分です。今いる部屋を見回して、「揺れたらここにしゃがむ」という場所を1か所決めてください。倒れてくる家具がなく、ガラスから離れている場所です。決めておくと、当日は考えずに体が動きます。かかる時間は10秒です。
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