災害用伝言ダイヤル171の使い方|毎月15日に、親と練習してください

災害の直後、電話はつながりません。

回線が壊れるからではありません。全員が一斉にかけるからです。安否を確認したい人が同時に電話を取る。その結果、本当に緊急の通話まで通らなくなる。だから通信事業者は意図的に通話を制限します。

そのために用意されているのが、災害用伝言ダイヤル「171」です。

171は「声の伝言板」です

つながらない相手と話すのではなく、自分の声を置いておく仕組みです。

家族が後から聞きに来る。それだけの単純なサービスですが、災害時にはこれが強いです。相手が電話に出られる状態でなくても成立するからです。

使えるのは、大きな災害が起きて運用が開始されたときです。ふだんは体験利用の日だけ使えます。

使い方は3ステップ

録音する 1. 171 に電話をかける 2. 「1」を押す(録音) 3. 自宅の固定電話番号を市外局番から入力する 4. 30秒以内でメッセージを吹き込む

再生する 1. 171 に電話をかける 2. 「2」を押す(再生) 3. 同じ電話番号を入力する 4. 録音されたメッセージが流れる

ポイントは3番です。家族全員が同じ1つの番号を使うこと。実家の固定電話でも、自分の携帯番号でもかまいません。大事なのは「どの番号を使うか」を先に決めておくことです。ここが揃っていないと、お互いのメッセージにたどり着けません。

携帯電話からもかけられます。1つの番号につき最大20件、48時間保存されます。

吹き込む内容を決めておく

30秒は、思ったより短いです。とっさに話すと「えっと」で終わります。

内容は3つに絞ってください。

1. 誰が(名前) 2. 無事かどうか 3. 今どこにいるか、次にどこへ行くか

例:「◯◯です。全員無事です。今から△△小学校の避難所に移動します。」

これで15秒ほどです。細かい状況説明はいりません。家族が知りたいのは、生きているかと、どこにいるかの2つだけです。

web171もあります

インターネット版の「web171」では、文字で伝言を残せます。

耳の遠い方、電話が苦手な方、通話が混み合っているときに有効です。パソコンでもスマホでも使えて、こちらは電話番号ではなくメールアドレスでも登録できます。文字なので記録も残ります。

電話版と文字版、両方があることだけ覚えておいてください。

毎月1日と15日は、体験できます

ここがいちばん大事です。

171は毎月1日と15日、正月三が日、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)に、誰でも体験利用ができます。

離れて暮らす親と、こう約束してください。

「次の15日に、お互い171に録音してみよう」

1回やっておくだけで、本番で手が動きます。やったことがない人は、災害の混乱の中で「171ってどうやるんだっけ」から始めることになります。その差は大きいです。

高齢の親には、171の番号と手順を紙に書いて、固定電話の横に貼っておくと確実です。スマホのメモではなく、紙です。停電しても読めます。

体験利用は「日」だけでなく「時間」も決まっています

練習しようとしたら、使えませんという案内が流れた、という声があります。体験利用の時間帯とずれていた、というケースがあります。171の体験利用は、開始と終了の時刻まで決まっています。

  • 毎月1日と15日:0時から24時まで(終日)。
  • 正月三が日:1月1日0時から1月3日24時まで。
  • 防災週間:8月30日9時から9月5日17時まで。
  • 防災とボランティア週間:1月15日9時から1月21日17時まで。

1月15日は毎月15日にもあたるので、0時から使えます。

2026年の防災週間は、初日の8月30日が日曜、最終日の9月5日が土曜です。土日が両端に来るので、離れて暮らす家族と時間を合わせやすい週になります。ただし最終日の土曜は17時で終わります。土曜に練習するなら日中にしてください。毎月15日を続けるのが難しい方は、この1週間を「年に一度の総点検」と決めてしまうほうが現実的です。

体験利用でも、操作は本番とまったく同じです。171にかけて1を押し、決めた番号を入れて吹き込みます。固定電話の番号なら市外局番から、携帯電話の番号なら11桁をそのまま入れます。この流れを一度でも指でなぞっておくと、本番で迷いにくくなります。NTT東日本・NTT西日本の固定電話からかける場合は、通話料もかかりません。携帯電話からかけるときの通話料は、携帯電話の会社によって扱いが異なります。

練習は、録音と再生をセットにする

録音までで終わることがありますが、本番でつまずきやすいのは再生のほうです。押す数字と、そのあと話すか聞くかが違うだけですが、押し慣れていないほうで手が止まります。練習の日は、それぞれが吹き込んだあと、必ず相手の伝言を聞くところまで通してください。往復して初めて、届いたことが確認できます。録音できるのは1伝言あたり30秒です。何を話すかを先に決めておくと、30秒に収まりやすくなります。

高齢の親が一人でも使えるように、貼り紙の中身を決める

親世代からは、操作そのものより「どの番号だったか思い出せない」というご相談があります。電話機の前で手が止まりやすい場面です。

電話のそばに貼る紙には、次の4つを大きな字で書いてください。

  • かける先は 171
  • 残すときは 1、聞くときは 2
  • 使う番号は 実際の数字を書き込む(固定電話なら市外局番から、携帯電話なら11桁をそのまま。家族全員でこれ1つ)。
  • 話すのは3つだけ。名前 / 無事かどうか / 今いる場所と次に行く場所。

3つ目を「実家の固定電話」と言葉で書かないでください。あわてているときは、思い出せないことがあります。数字をそのまま印刷するか、手書きで書き込んでおきます。同じ紙を冷蔵庫にもう1枚貼っておくと、電話機から離れた場所でも確認できます。

なお、固定電話の番号は、その地域が被災地になったときに使えます。地域を問わず使いたい場合は、携帯電話の番号を家族共通の番号に選ぶ方法もあります。

親を誘うときは、「災害が来たら大変だから」ではなく「15日に電話の練習をするので付き合ってほしい」と伝えるほうが進みます。備えの話を実家に持ちかけるときの言い方は、実家の防災、親と喧嘩しない伝え方でくわしく整理しています。

171とweb171、家族の中で担当を分ける

どちらが優れているという話ではありません。使う人で分けるとうまくいきます。

  • 171(声):固定電話からでも折りたたみの携帯電話からでも使えます。画面を見る必要がないので、スマホを持っていない家族がいるご家庭では、こちらが本線になります。
  • web171(文字):文字が残るので、あとから何度でも読み返せます。避難所の名前や時刻など、聞き間違えたくない情報に向きます。声を出しにくい場所にいるときも残せます。

どちらも、電話番号を鍵にして伝言を出し入れする点は同じです。171とweb171は連携していて、片方に残した伝言をもう片方で受け取れます。つまり「家族で使う番号を1つに決めておく」という準備は、両方に共通します。ここさえ揃っていれば、親は電話、子ども世代は文字、という分け方をしても混乱しません。

171は、携帯電話の会社を問わずかけられます。公衆電話からも使えます。ただし、ダイヤル式の電話機など、一部使えない電話があります。心配な場合は、体験利用の日に一度試してください。手元のスマホが充電切れになった場面でも、番号さえ覚えていれば連絡の手段が1つ残る、ということです。

なお、伝言に「△△小学校へ行きます」と入れるなら、その先で起きることも先に知っておくと落ち着いて動けます。合流したあとの過ごし方は避難所の人間関係で困らないための準備にまとめています。

今日は、スマホのカレンダーに毎月15日の繰り返し予定を1つ作ってください。タイトルは「171の練習」だけで十分です。作るのに30秒、当日の練習は2〜3分みておくと、録音から再生まで通せます。

今日できること

親に連絡して、「次の15日に171の練習をしよう」と伝えてください。

LINEでも電話でもかまいません。これだけで、家族の安否確認の手段が1つ増えます。今日できる防災としては、いちばん費用がかからず、いちばん効きます。

停電中に情報を受け取る側の備えは、防災ラジオおすすめ10選で手回し・電池式を比較しています。

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