携帯トイレを買ってある。箱に入れて押し入れにしまってある。ここまでできている家庭は多いです。
でも、一度でも開けて使ったことがある人は、ほとんどいません。
本番が初めてだと、何が起きるか
災害の夜は、たいてい停電しています。
暗い中、スマホのライトを口にくわえて、小さな字の説明書を読むことになります。焦っているので手元が定まりません。子どもは我慢できずに泣いています。その状態で、初めての作業をすることになります。
これが「使い方は知っている」と「使ったことがある」の差です。
使い方は3ステップ
袋タイプの携帯トイレは、どの製品もだいたい同じ手順です。
1. 便器に大きい袋をかぶせる まず、便器全体に大きなポリ袋(45リットル程度)をかぶせます。これは便器を汚さないための養生です。断水中は便器を洗えないので、この1枚があるかどうかで、そのあとの快適さが変わります。
2. その上に、携帯トイレの袋をセットする 養生の上から、携帯トイレ付属の袋を便座に固定します。便座を下ろして袋を挟むと、ずれにくくなります。
3. 使用後、凝固剤を入れて口を縛る 凝固剤を全体にふりかけ、袋の空気を抜いて固く縛ります。臭いが漏れないよう、二重に縛るか、防臭袋に入れます。
養生の袋は使い回します。交換するのは内側の袋だけです。
練習は100円ショップでできる
いきなり備蓄を開けるのはもったいない、と感じるはずです。
100円ショップに、1回分から売っています。それを1つ買って、実際に一度やってみてください。確認したいのはこの3つです。
- 凝固剤が固まるまでの時間(思ったより早いか、遅いか)
- 袋が便座からずれないか
- 縛ったあと、臭いがどのくらい残るか
お子さんがいる家庭は、一緒にやっておくことをおすすめします。「知らないものを使う怖さ」がなくなるだけで、本番の混乱がかなり減ります。
一緒に用意しておくもの
携帯トイレ本体だけでは足りません。あわせて用意しておくと安心なものです。
- 防臭袋 … 使用後の袋を入れる。これがないと家の中が持ちません
- 45リットルのポリ袋 … 便器の養生用。10枚もあれば足ります
- ウェットティッシュ … 手が洗えないので必需品
- ふた付きのバケツ … 使用済みの袋をためておく場所。回収まで数日かかります
見落とされやすいのが、最後の「ためておく場所」です。ゴミ収集は災害後しばらく止まります。処理できない袋が家の中にたまり続けます。ふた付きのバケツか衣装ケースを1つ、玄関やベランダに確保しておいてください。
必要な数は計算できます
1人1日5回、3日分で15回分。2人家族なら30回、4人家族なら60回です。
7日分で見るなら、4人家族で140回。かなりの量になります。全部を高価な製品で揃える必要はありません。備蓄の中心は安い大容量タイプにして、持ち出し用に小さいものを数個、という組み合わせが現実的です。
製品ごとの凝固の速さ、臭いの残り方、1回あたりの単価は非常用トイレおすすめ|断水で一番先に困る物にまとめています。
今日できること
押し入れの携帯トイレを出して、箱を開けてください。
何回分入っているか数える。それだけで構いません。「思っていたより少ない」と気づけたら、それが今日いちばんの収穫です。

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