帰省するときは、車に水と携帯トイレを積んでください。実家の備蓄は、そこに住んでいる人数ぶんしかないからです。
親御さん2人の家に、ご家族4人で帰省したとします。家にいる人は3倍になります。水も、トイレも、減る速さがそのまま3倍になります。3日分あったはずの備えが、1日で終わります。
お盆の時期は、道路も店も混みます。地震や台風が重なれば、買い足しには行けません。この記事では、車に積んでおく5つと、実家に着いてから5分で見る3か所をお伝えします。
実家の備えは「そこに住んでいる人数」でできている
防災の水は、1人1日3リットルが目安です。3日分なら1人9リットル。2リットルのペットボトルで4本半になります。親御さん2人暮らしなら9本ほど。箱で置いてあるご家庭は、だいたいこのくらいです。
ここに4人が加わると、1日に必要な量は18リットルになります。9本の備蓄は、丸1日でほぼ空になります。
トイレはもっと早く尽きます。人がトイレに行く回数は1日5回前後です。6人が3日分を使うと、5回×6人×3日で90回。実家に置いてある簡易トイレが50回入りの1袋なら、2日目の途中で足りなくなります。
「実家にもあるはずだから」と手ぶらで帰るのが、いちばん危ない状態です。備えがあるのは事実ですが、量が人数に合っていません。非常用トイレは何回分が必要かを、帰省の人数で数え直してみてください。
車に積む5つ。荷造りは30分もかかりません
車で帰省するなら、トランクに入れておくだけで済みます。荷物を増やす話ではなく、置き場所を家から車に変える話です。
1つ目は水です。「人数×3リットル×2日分」を積みます。4人なら2リットルのペットボトルで12本。多いと感じるかもしれませんが、使わなければ持って帰るだけです。
2つ目は携帯トイレ。1人10回分を目安にします。渋滞で動けなくなった時にも使います。高速道路で長時間止まった場合、トイレは車の中で済ませることになります。
3つ目はヘッドライト。停電した実家は、自分の家より暗く感じます。物の位置を知らないからです。手に持つライトだと、荷物も手すりもつかめません。両手が空くヘッドライトのほうが、階段の上り下りで安全です。
4つ目はモバイルバッテリー。人数分あるか数えてください。1台を4人で回すと、全員が中途半端に減った状態になります。安否確認の連絡は、家族それぞれの電話から出ていきます。
5つ目は履き慣れた靴です。サンダルで帰省して、そのまま夜に外へ出る場面が起きます。割れたガラスや倒れた物の上を歩けるのは、足の甲まで覆う靴だけです。
車中泊まで想定するなら、車中泊避難向けの防災グッズ10選に、エコノミークラス症候群を防ぐ道具までまとめています。
着いたら5分で見る3か所
荷物を下ろしたついでに見るだけです。親御さんに片付けを頼む必要はありません。
寝る部屋。客間の枕元に、背の高い家具やガラス戸がないかを見ます。動かせない家具なら、布団の向きを変えるだけで頭を守れます。夜中に揺れた時、けがをするのは頭と足の裏です。
玄関。停電した夜に、靴とライトがそこにあるかを見ます。帰省中は自分の靴を玄関に出しておく。それだけで、暗い中を裸足で探さずに済みます。
トイレと浴槽。断水した時に流す水があるかどうかです。浴槽に水を張る習慣がない家なら、滞在中だけ張らせてもらいます。小さいお子さんがいる場合は、水を張らずに携帯トイレを置くほうが安全です。
見る場所をもう少し増やしたい方は、帰省前にやる実家の防災チェック5つにまとめています。親御さんに片付けや買い替えを提案すると、たいてい話がこじれます。言い方のコツは実家の防災、親と喧嘩しない伝え方のほうにあります。
移動中に強く揺れたら
急ブレーキを踏まないことが最優先です。ハザードを出し、ゆっくり減速して、道路の左側に寄せて止めます。
車を離れるときは、キーは付けたまま、窓を閉めてドアはロックしません。緊急車両が通れるように、あとから移動させる必要があるからです。連絡先を書いたメモを、見える場所に置いておきます。
停止するまでの手順は、運転中に大地震が起きたときの7ステップで詳しく解説しています。高速道路とトンネルでは動き方が変わります。
帰る前に決めておく2つ
集合場所と、連絡の取り方です。
携帯電話は、災害の直後に最もつながりにくくなります。そこで使うのが災害用伝言ダイヤル171です。毎月1日と15日は、無料で練習できます。お盆の15日は、ちょうど家族が集まっている日です。
親御さんと一緒に、録音と再生を1回ずつやってみてください。5分で終わります。やり方は災害用伝言ダイヤル171の使い方にあります。8月30日9時から9月5日17時までの防災週間も、体験利用ができます。
集合場所は「実家」と決めないでください。実家が使えなくなる場合があるからです。実家と、その地域の避難所の2つを、家族全員が言える状態にしておきます。
今日やること
車のトランクを開けて、水と携帯トイレを積んでください。それだけで、帰省先の備えが人数に近づきます。
足りないと気づいた物は、帰ってから買えば十分です。出発の前日に全部そろえようとすると、たいてい何も積まないまま出発することになります。まず1箱、トランクに入れるところからで大丈夫です。
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この記事の数字の出どころ
本文で使っている数字は、次の公的な資料に基づいています。
- 飲料水は1人1日3リットル(飲む・調理する分) … 農林水産省「家庭備蓄ポータル」
- 携帯トイレは1人1日5回が目安 … 内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」

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