避難所の人間関係で困らないために|場面別まとめ【保存版】

避難所の生活でいちばん心をすり減らすのは、水でも食料でもなく人間関係です。能登半島地震のあとも、「物資より人のことで疲れた」という声が多く聞かれました。

ただ、トラブルの中身を見ていくと、性格が合わないから起きるものは意外と少ないです。ほとんどは「物の貸し借り」「場所」「音」の3つから始まります。だから、場面ごとの答えを先に知っておけば、かなりの部分は防げます。この記事は、その答えを場面別にまとめた保存版です。

場面①「うちにも分けて」と言われた

避難所トラブルでいちばん多いご相談です。断りにくいのは、意地悪だからではありません。「どこまで分けていいか」を自分でも決めていないからです。

先に線を引いておきましょう。水や食料は「少しなら分けられる物」、トイレは「分けられない物」です。理由は単純で、トイレは使う回数がはじめから決まっているからです。目安は1人1日5回。4人家族の7日分なら140回です。10回分けたら、家族の半日分がそのまま消えます。

この数字を知っていると、断る言葉が変わります。「ごめんなさい、うちも足りないんです」と謝るのではなく、「トイレは回数が決まっていて、分けたぶん家族の日数が減ってしまうんです」と理由で断れます。相手を責める言葉がひとつも入っていないのがポイントです。

言い方の型は3つあります。くわしくはこちらにまとめました。
「うちにも分けて」と言われた時の、角の立たない断り方3選

場面② 場所の取り方で「困る人」にならない

避難所で困られてしまう行動のほとんどに、悪気はありません。いちばん多いのが場所の取り方です。

覚えておくことは2つだけです。ひとつは荷物は横に広げず、上に重ねること。横に広げると、それだけで隣の家族との距離が縮まり、お互いの緊張が増えます。もうひとつは、通路になる場所に物を置かないこと。夜中にトイレへ立つ人がつまずくと、音と気まずさの両方が生まれます。

そして、着いたら両隣にひとこと挨拶をしておきます。「隣に入ります、よろしくお願いします」。この10秒で、そのあとの物音や生活音への受け取られ方が変わります。人は、顔と声を知っている相手の音には寛容になれるからです。

▶ YouTube本編: 避難所で嫌われる人の特徴5選(チャンネルで公開中)

場面③ 夜の音と光

夜のトラブルの正体は、音と光です。スマホの通知音、ビニール袋のガサガサ、顔に向いた懐中電灯。どれも本人は気づいていません。

備えは2つで足ります。イヤホンと、手元だけ照らせるライトです。ヘッドライトなら向きを下に固定でき、周りの人の顔に光が飛びません。両手も空くので、夜中の子どものお世話やトイレの往復にも使えます。ビニール袋の音は意外と響くので、音の出にくい布の袋をひとつ持ち出し袋に入れておくと、夜中でも気兼ねなく物を探せます。

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場面④ 眠れないと、人にやさしくできない

底冷え・照明・物音・視線。避難所で眠れない原因への備えは、自分が楽になるだけではありません。疲れからくる人間関係のトラブルを防ぐ効果があります。眠れない日が続くと、誰でも気持ちの余裕がなくなるからです。ふだんなら聞き流せるひとことに、カチンと来るようになります。

アイマスク・耳せん・床の冷えを断つマット。この3つだけで、体育館の夜はかなり変わります。

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場面⑤ 子ども連れ・ペット連れの肩身の狭さ

泣き声や鳴き声で「迷惑をかけていないか」と気を張り続けるのは、想像以上に消耗します。こういうご家庭ができることは2つあります。

ひとつは、いまのうちに専用スペースの有無を調べておくことです。お住まいの自治体のサイトで「福祉避難所」「ペット同行避難」と検索すると、受け入れの決まりが出てきます。行き先の見当がついているだけで、当日の心細さが減ります。

もうひとつは、両隣への最初のひとことです。「子どもがいるので、うるさかったら言ってくださいね」。先に言われた側は、たいてい味方になってくれます。言われる前の物音と、言われた後の物音は、同じ音でも聞こえ方が違うからです。

場面⑥ 手伝いは「続けられる量」だけ

避難所の運営は住民の当番で回ります。最初に張り切って引き受けすぎると、数日で続かなくなります。かといって何もしないと、それも目立ちます。

目安は「毎日続けられる量だけ引き受ける」です。朝の掃除だけ、水くみ1往復だけで十分です。それ以上に効くのが、同じ班の人の名前を覚えて、名前で挨拶することです。人は、名前を呼んでくれる相手を悪く思いにくいものです。

いちばんの予防は「避難所に行かずに済む備え」

ここまで避難所での過ごし方を書いてきましたが、実は人間関係のいちばんの予防は、自宅が無事なら自宅で過ごせる備えです。在宅避難といいます。水・トイレ・電気。この3つの備えがあれば、壊れていない自宅を離れずに済む可能性が大きく上がります。

▶ 水: ウォータータンク・給水袋おすすめ7選
▶ トイレ: 簡易トイレの選び方(1人1日5回×人数×日数)
▶ 電気: ポータブル電源おすすめ10選

まとめ:今日できること

まずはひとつだけ。家族の人数で「トイレの回数」を計算してみてください。1人1日5回×人数×7日。4人家族なら140回です。数字で知っておくだけで、いざという時に「分けられない理由」を、責めない言葉で説明できるようになります。

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